ハミガキ粉の歴史は古代エジプトから始まった。とは言ってもミント風味のハミガキ粉やホワイトニングジェルがあったわけでもない。彼らが考え出したハミガキ粉は、軽石の粉末とお酢を混ぜたものだったそうだ。さぞすばらしい味がしたことでしょう。
しかし古代ローマのハミガキ粉はそんな生易しいものじゃなかった。貴族たち、とくに女性達が大金叩いてまで買い漁ったハミガキ粉、それはなんと人尿から作られたものだったのだ。だったら大金叩いて買わなくても毎日股から出てるじゃないか?と疑問に思った人もいるかもしれないが、そこはやっぱり人間、自分達の排泄物と考える少なからず抵抗がある。そこで考えたのが余所から尿を運んでくること。余所から持ってくれば幾分排泄物という感覚も収まると考えたローマ人は、わざわざ大金払ってポルトガルから尿を取り寄せることにしたのだった。また当時のローマ人はポルトガル人の尿こそ、歯を白くするのに最も適していると考えたのだった。
人尿は18世紀以前までハミガキ粉や口腔洗浄液の原料として使われていた。そして中世の人達が考えていたとおり尿は歯を白くする働きを持っていたのだ。それを実現しているのが尿に含まれるアンモニア分子(尿素)、この成分はなんと現代の歯科産業でも使用されているんだ。
しかしローマ帝国の滅亡とともに尿による口腔衛生の伝統は消え去ってしまった。考えるに現代の尿素と違い、尿そのものを使用していたことはやはり衛生的に問題視されていたのだろう。
ペルシアのRazes医師が歯の詰め物を発明したのはそれから500年後だった。その詰め物はアンモニアと鉄それにタールを合成したにかわだった。彼が発明した詰め物は非常に手の込んだもので優れた製法を駆使して作られていた。しかし残念ながら優秀な彼も掘削技術は古典的なものであった。当時はまだドリルどころか錐を使う掘削技術も開発されておらず、丸のみで歯に穴を開ける…というか、ほじると言った方が正確かもしれない。もちろんそんな時代に麻酔の技術があったわけもなく、患者はただただ痛みに耐えるしかなかった。
時は流れて地球上にアメリカなる国が出現する時代になって発明されたのが、ドリル式掘削技術。発明したのはかのジョージ・ワシントンかかりつけの歯科医だったジョン・グリーンウッド氏だった。彼が発明したドリルは今のものに比べるとその回転は遥かに遅いものであったが、それでも以前までの錐による掘削に比べればその作業時間を著しく短縮することができた。
しかし彼の発明品には重大な欠点があった。それはドリルを高速回転させることによって生じる熱であった。不幸な患者は作業中焼けるような痛みに耐えねばならなかった。
舞台は替わって19世紀初頭のイタリア、1人の歯科医があることに気づいた。それはナポリの住民が余所の住民と比べて虫歯になる人が非常に少ないという事実であった。後にわかったことだが、ナポリの水と土壌には大量のフッ素が含まれており、それが住民の歯を丈夫にしていたのだった。その事実をしったヨーロッパ中の歯科医達がこぞってフッ素やハチミツから作られたキャンディーを舐めることを推奨しだしたのだった。
現代の歯科医学の技術が古代ローマ人と同じく尿素の助けを借りていることはやはり注目に値することだ。
【source】Ancient dentists recommended Portuguese urine as perfect whitening ingredient(FunReports.Com)
【see also】(印)牛の尿を飲む飲尿健康法(ブログ内)
【備考】フッ素で虫歯予防

